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フッ素の取り込みと歯ブラシで磨く時間について

その他

今回はフッ素の取り込みと歯ブラシで磨く時間についてお話します。

2017年3月に、フッ化物イオン濃度(フッ素濃度)の上限を1500ppmとする高濃度フッ
化物配合歯磨剤の医薬部外品として市販が、厚生労働省により認められました。今ま
での上限は950ppmまででした。500ppm高くなるごとにう蝕予防効果が6%UPします!し
かし使用方法が適切でない場合には、効果が十分に得られない可能性があります。

スウェーデンのイエテボリ大学カリオロジー科で行った研究では、ペーストタイプの
フッ化物配合歯磨剤(1500ppm)の量(1cmまたは2cm)とブラッシング時間(1分または2
分)、すすぎに使用する水の量(10mLまたは20mL)の3の要因を組み合わせた8通りに分
けての調査しました。

ブラッシング後60分で歯間部におけるフッ素濃度がもっとも高かったのは、「歯磨剤
2cm(歯ブラシに歯磨剤モリモリ)、2分間のブラッシング、10mLの水でのすすぎ」で、
「歯磨剤1cm、1分間のブラッシング、20mLの水ですすぎ」がもっとも低いフッ化物濃
度を示しました。

このことから「フッ化物配合歯磨剤の量」「ブラッシング時間」および「すすぎに使
用する水の量」が、ブラッシング後の歯間部フッ化物濃度に有意な影響を与えること
を示唆していると言えます。

歯磨剤の使用量が多いほど唾液中にフッ化物が残りやすく、2分間ブラッシングする
と口腔内のフッ化物の量が増加します。

一般的に2分間のブラッシングが推奨されていますが、平均では45秒しかブラッシン
グしていないとの報告もあります。せっかく適切な量の歯磨剤を歯ブラシにつけて
も、このような場合その歯磨剤が無駄になってしまいます。ブラッシング時間が長く
なると途中で吐き出す回数も多くなり、口腔内のフッ素濃度が下がってしまう可能性
があります。

120秒間のブラッシングでは、45秒間のブラッシングと比較して、エナメル質の再石
灰化とエナメル質へのフッ化物の取り込みが増加します。

フッ化物を口腔内になるべく残すには歯磨剤のフッ化物イオン濃度>歯磨剤の使用量
>すすぎ方>ブラッシング時間の順序で効果があります。

歯ブラシするときは2~3分間、歯磨き粉は2cm(歯ブラシにモリモリ)つけて磨きま
しょう!

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